研修旅行後半は西表島の生き物たちを学びに野生生物保護センターへ。
そして島で生まれ育ったオジィに教わるマングローブの森とガザミ取りへ。
先ずは野生生物保護センター。
西表島の島民でも年に1,2回しか見られないというイリオモテヤマネコですが、その生態を詳しく案内しているのが野生生物保護センターです。
残念ながら今回の研修旅行では、夜な夜な探して回ってはみたものの野生のイリオモテヤマネコを見ることが出来ませんでしたが、その分私達も真剣に展示物を眺めます。
剥製、骨格標本はもちろん足跡やフン、生息地、目撃地など事細かに展示しており、イリオモテヤマネコの貴重性を実感しました。
このセンターではイリオモテヤマネコ以外にも島でみられる生き物の展示も行っております。
動物好きの私達にとって貴重な勉強の場となりました。
さて、次は島のオジィに教わるマングローブの森とガザミ取りです。
ガイドは中学生の頃からガザミ取りをしている島のオジィにお願いしました。
「マングローブ」と聞くと皆さんは何を思い浮かべますか?
海水と淡水の混ざる浅瀬に生える、根がクネクネとした木を思い浮かべるでしょうか。
何も知らなかったのですが、マングローブというのは植物の名前ではなく、複数のヒルギ科の常緑樹が集まった集合体を指すようです。
今回は私達が行ったマングローブではオヒルギ、メヒルギ、ヤエヤマヒルギの3種類を確認しました。
遠巻きに見ていては分からない違いも、マングローブの中に入ってみると、根の張り方が違かったり、葉に塩分を貯めているものがあったりと、その生存戦略の違いに驚かせられます。
さて、3日目はここでしか出会えない生き物を探しにきました。
マングローブの王様とまでは言わないのかもしれませんが、マングローブの主、ガザミを取りに来たのです。
ガザミはまたの名をワタリガニといい、食べることができます。
汽水に住むカニというのは、どんな味がするのでしょうか。
まだ見ぬガザミに胸が高まります。
干潮の時を狙って、朝からマングローブへ繰り出します。
マングローブの中に入ってみると、歩いて5分程で最初のガザミの巣へ到着します。
ガザミはマングローブの根の下の泥濘に住んでいて、それを竹の棒の先端に付けた針金で引っかき出すのです。
最初のポイントでは、なんと、巣の外を歩いているガザミを発見しました。
挟まれないように、後ろからハサミを押さえて捕獲します。
オジィ曰く、歩いているところを見つけるのはかなり珍しいようです。
次のポイントではオジィが取り方を実演して見せてくれました。
泥水で全く見えない中、木の根にしがみつくガザミをかき出します。
甲羅を割ってしまえば、カニみそが台無しになってしまうので、慎重さも求められます。
奮闘すること15分、やっと捕まえることができました。
第3のスポットでは私達も挑戦させてもらいました。
木の根があるため針金の可動域は限られてしまい、実際にやってみると非常に難しかったです。
更に第4のスポットまで行き、オジィの力を借りて合計4杯のガザミを捕まえることができました。
捕まえたガザミは、茹でたもの、甲羅酒、ガザミそばで頂きました。
自分たちが苦労して捕まえたガザミを頂くのはとても感慨深いものがありました。
特にシジミの出汁を合わせたガザミそばは、魚介類だけとは思えないほどの深い味でした。
沢山は採れないガザミですが、より多くの方々にこの美味しさをしってほしいと思いました。
職人気質で口がちょっと悪いけど(失礼…)ほんとはとっても優しいオジィと、マングローブの恵みを頂いて、イリオモテヤマネコだけでない西表島の自然を感じることができ、西表島が一層好きになりました。
千葉では味わうことのできない自然と野生の生き物たちにふれ、よりプロフェッショナルな仕事を提供できるようスタッフ一同成長できたかと思います。